山のふるさと村では紅葉が見頃を迎え、
たくさんの方が楽しんでいます。
秋の実りもそろそろ終盤。
ドングリやクルミの実を見つけるのが難しくなってきました。
それは自然からの贈り物を、
ニホンザルや野鳥などが冬を越すために一生懸命に食べているから。
しかし、毎日見ていてもほとんど減らない実がありました。
それがこちら。
みなさんご存知の柿のように見えますが、
ただの柿ではありません。
「マメガキ」という種類の柿で、
どのくらいマメなのかと言うと…
真ん中の銀色に光るのは一円玉ですから、
そのマメ具合がわかりますね。
ちなみに半月状のものがマメガキの種です。
このマメガキ、
今年は大豊作のようで鈴生りになっています。
しかしそのほとんどは食べられた様子もありません。
見た目は瑞々しそうで美味しそうなのに!
そこで試しに落ちていた実の味見をちょびっとしてみると…
「うわぁー!!!」と叫びだしたくなるほどの渋さ!
どうりで動物たちも食べないはずです。
図鑑で調べてみると、
柿渋をとるために栽培されている種だそうです。
その渋は防水や防腐剤、染色にも使われるとか。
山のふるさと村はかつて人の暮らしがあった場所なので、
その名残ということになります。
そんなマメガキですが、
よくよく観察してみると食べている生きものがいることを発見しました。
その証拠が…
さらに決定的瞬間を目撃!
甘い実を選んで食べているのでしょうか。
3個ほど、ぱくぱくと飲み込むと飛んて行きました。
さて、そんなマメガキですが図鑑をさらに読み進めると
霜にあたると黒紫色になり甘みが増し、おいしいという記述が!
寒さが増し、そろそろ霜も降りてきそうな頃。
動物や鳥たちはおいしくなるのを待っているのかもしれませんね。
山のふるさと村は自然公園なので
甘くなったマメガキを収穫することはできませんが、
実を食べる鳥や食べた動物の痕跡を見つけられそうです。
背が高く目のつくところに実がないため、
気がつきにくいマメガキですが、
奥多摩湖畔の近くにあります。
見てみたい!という方は
インタープリターに聞いてみてくださいね。
ふぅ〜、やっと渋味がとれてきました。
(ぱちくり)