ツキノワグマ(以下、単純に「クマ」と書きます)のニュースが毎日のように報じられ、山のふるさと村でも「クマは出ますか」「キャンプ場に泊まるのですがクマは大丈夫なんですか」といったお問い合わせをいただく事が多くなりましたので、この機に山のふるさと村でのクマ対策についてお伝えします。
山のふるさと村の周辺は、もともとクマを含む多様な野生動物が生息するエリアです。
そのため、クマが「いる」のが前提で、「クマによる事故が起こる可能性を下げる」というのが山のふるさと村のクマ対策の基本の考え方です。
まずは、クマを「近づかせない」
・クマ鈴の貸し出し
山のふるさと村のキャンプ場では宿泊される方に必ずクマ鈴を貸し出しています。また、ビジターセンターでも貸し出しを行なっており、人が少ない静かな登山道を歩く予定の方には特におすすめしています。
・テントサイトの周囲の対策
テントサイトの周囲には、現在、動物が嫌がる音や光を発生させる装置や電気柵が設置されています。また、動物の隠れ場所になるような見通しのきかない茂みを刈り払ったり、状況により爆竹を鳴らすなどの対策も行います。
これらによって、まずはクマに人がいる場所を知らせ避けてもらうようにします。
食べ物を野外に放置しないことも重要です。これについては、施設を利用される皆さんの協力も欠かせません。
使い終わった食器や食材は出しっぱなしにせず、ジップロックに入れたりクーラーボックスにしまうなど、匂いが外に出ないようにしてください。
そして「調査する」
スタッフが定期的に園内の巡視をし、クマの活動の痕跡(糞、足跡、食べ痕、樹皮を剥いだ痕、など)がないかチェックしています。
また、園内にはセンサーカメラ(動物が通ると作動する無人のカメラ)を多数設置し、園内でのクマの活動を、実際に出会うことなく察知できるようにしています。
施設の近くでクマが頻繁に活動している可能性が高く、クマとの遭遇の危険性が高まっていると考えられる時には、夜間の野外プログラムの実施を取りやめたり、テントサイトでの宿泊を休止にしたりといった判断をします。
この他にも、野外活動時にスタッフがクマ撃退スプレーを携行したり、展示やスタッフの解説によってクマの生態を皆さんにお伝えしたり、諸々の取り組みをしています。
今後も事故を起こさず、クマとも共存できる自然公園施設であり続けられるよう、
皆さんのご理解とご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
(山のふるさと村)

