2008年2月21日木曜日

冬の散歩道で豆をみる


「これ、なんですか?」  

閉園のビジターセンターで作業をしていると、窓をたたきながら声をかける方がいました。

ドラム缶橋から歩いてきたそうです。

開いた手に持っていたのは、1円玉くらいの平たく丸い茶色いもの。(写真中の左側)
「たくさん落ちてるんですけど、よく分からなくて・・」

少し照れながら
「なにかのタネだとは思うんですけど、フンではないですよねぇ?」と
近くで見せてくれました。

じつは、これ有名な植物です。

花を見れば一目で分かるものでも、花以外の時期は意外とみていないものです。

答えはフジの種子です。

螺旋を描くようにねじれている大きなのはフジ
のさやです。
写真の真ん中に写っている、リスの尻尾がとれたような
毛むくじゃらのものは秋の七草クズ(葛)のさや、
右側に写っているいさやは夏に咲くピンクの花・ネムノキです。
薄いさやの中にはフジのタネを小さくしたようなタネが入っていました。


『フジのタネですよ。』と、少しばかり話をしていると、
タネを手にした方は、興味深そうな顔で「食べられますか?」とひとこと。

写真に写っている、フジ、クズ、ネムノキは
どれも形も大きさも違いますが、同じマメ科の植物です。
有毒ではありませんが、特においしいとは感じられません。
今の時期、散歩をしていると本当によく見つかるマメ科の植物

山ふるにきたら、落ち葉がたまっているその下を探してみて下さい。

タネには見えない平たいフジもすぐ見つかると思います。 
(シゅう)