2012年4月26日木曜日

はるのいぶき

この一週間、山ふるはたくさんの雨が降ったあと、
お日さまが出て、とっても暖かくなりました。

ようやく、ソメイヨシノが満開になり、
山々では、ミズキやコナラの若葉が開きだしました。
紫色のミツバツツジや山吹色のヤマブキ、
白色のモミジイチゴなども花盛り。

おてんとさまの恵みを受けて
森の色は「ぐぐっ」と春色に染まり始めました。
今朝も、そんな森を眺めながら、
お花見気分で奥多摩周遊道路を通ってきたのですが…

「あれ? 今日は道路にゴミが多いなぁ…」

いつも通る道に、目につく所がひとつ。
道路をみると、たくさん落ちている黄緑色の物体。
アスファルトの色が見えないぐらい、落ちているところもあります。
時に枝のようなものも混じっていて、通り過ぎようとするならば、
「バキバキプチプチ」なんだか、変な感覚…

何だろうと思って、車を降りて、近くでよく見てみると…


「これはサクラの… ん? なんでしょう?」
みなさん、なにかお心当たりはございませんか?

実はこのサクラ、あるものがないんです。
そう、それは、「蕾」。


黄緑色の物体は、どれをみても同じ状態。
なんで、こうなってしまったんだろう…っと考えていると、
上から一つ、ぽとん。っと落ちてきました。
まるで、どこかの映画みたい。

ドキドキしながら上を見上げてみると…
いました、いました。これを落とした犯人。



そうです。ニホンザル。
8匹ほどのニホンザルが、一本のサクラの木の上で
サクラの蕾を「ぱくぱく むしゃむしゃ」とたべていました。

「木の皮や苔しかないなんにもない冬は、
ずーっと質素な食事をしていたんだもの。
今日はひさびさのごちそうよ!」
っとでも言いたそうな食べっぷり。
中には、いとおしそうにサクラの蕾を眺めるサルもいたりして。


寒い冬を越えて、やっと花を咲かせる準備ができたソメイヨシノ と
寒い冬を越えて、やっとおいしいご飯にありつけたニホンザル。

一見、のどかな朝8時の奥多摩周遊道路には、
春を必死に生きる動物や植物の姿がありました。


いつも通る道。
いつもと変わらない道。
でも、ある時、そこにいつもと違う何かを見つけたら、
ちょっと立ち止まってみてください。
その落しものやその周りをよーく観察すると…

「春を生きるドラマ」が、そこにはあるかもしれませんよ。



あっちゃん