2019年8月に「ムササビ巣箱作り」というイベントで作った巣箱を
去年の冬に森の中へ取り付けて、早一年。
去年の冬に森の中へ取り付けて、早一年。
それから巣箱がどんな変化をしているのか、
インタープリターが継続して観察していました。
今日はそのご報告をさせてください。
今日はそのご報告をさせてください。
ちなみに巣箱にはナンバリングしてあります。これは巣箱②。
まずは日指の森の広場につけた 巣箱②。
こちらには、コケやふわふわのスギの樹皮がぎっしり入っていました。
こちらには、コケやふわふわのスギの樹皮がぎっしり入っていました。
巣材からして、ヤマガラが作った巣かな?
しかし、ここ最近、このコケがひっくり返されたりしてるので
なにか生きものがまた使っている可能性があります。
これからも目が離せません!
次は、日指の森の中、スギ林につけた 巣箱③。
残念ながら、これには巣材が入っていませんでした。
残念ながら、これには巣材が入っていませんでした。
この巣箱のそばには、ずっとずっと昔から使われている
屋根も半分取れ、巣箱の端にも穴が空いているボロボロ巣箱があります。
今年もその巣箱で子どもが生まれたようなので、
その巣箱がいよいよ使えなくなったら引越しがあるかも?
その巣箱がいよいよ使えなくなったら引越しがあるかも?
さて次は日指の森を通り越した場所に、二つ並べてつけた 巣箱④ と 巣箱⑤。
この二つの巣箱は、いろいろな出来事があったようです…。
この二つの巣箱は、いろいろな出来事があったようです…。
巣箱④の入口の穴をよく見ると、かじられた跡があります。
これはムササビが、入口を自分の好みの大きさにしようとした証拠。
巣箱の中にも、はがされたスギの樹皮が入っています。
しかし、ちょっと樹皮が中途半端な量…?
そして問題の 巣箱⑤。
この巣箱には初夏の頃、野鳥がコケなどで巣を作り、
鳥たちが巣立った夏には、キイロスズメバチが巣を作っていました。
色々な生きものが使ってるな〜とのんびり見守っていたある日。
巣箱の下になにかある。
写真には写っていませんが、端の方にスズメバチの巣のカケラも…。
巣箱の下にはアオゲラの風切羽や尾羽がたくさん落ちていました。
そしてどれも、羽根の羽軸の根元が噛み切られている…。
これはどうみても動物のしわざ!
ドキドキしながら、巣箱の中を覗いてみると…
散らばる羽毛が、明らかにここで食べましたという感じ…。
おそらくですが、木についていた爪跡などや、木登りが得意な動物という事を考えると、
ムササビの子供の天敵である「テン」の仕業かと思われます。
もしかしたら 巣箱④ を使ってみたムササビは、テンの気配を感じて
途中で巣材を入れるのをやめて、違う場所へ行ってしまったのかも?
樹洞の代わりとなる巣箱には色々な出来事が起こる…。
これからも温かく見守っていきたいと思います。
さて、最後の 巣箱①。
この巣箱は、他のものの場所から少し離した、
キャンプ場サービスセンターの側に設置しました。
巣箱① は、以前一番最初にムササビが入った痕跡を確認した巣箱です。
とはいえ、巣材が入っているだけで、変化があまりありませんでした。
杉の細かい樹皮やコケがいっぱいつまってます。
しかし、冬のある日、違う場所へムササビ観察をしにいくため
この巣箱の横を通ろうとした時!!!!
なんか手が出てる。
正直この巣箱にいると思ってなかったので、驚きのあまり軽く転倒。
そしてその音に驚いたのか、ススス…と、ムササビは巣箱の中に吸い込まれていきました。
(その後1時間見守りましたが、出巣する事はありませんでした)
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この一年、巣箱を見守って思ったのは、
「人間が作った巣箱がようやく森に馴染んだんだな」という事。
色々な生きものに樹洞代わりに使われ、本物のムササビも本当に入ってくれた。
感無量です。
……なので、来年度からは、そんな彼らがどんな風に活動するのかを
引き続き観察していこうと思います。
まだまだムササビ観察は続けていきますよ!
まて次号!
(かおりぃ/原島 香)