2011年12月22日木曜日

自然環境を学ぶプログラム「外来植物ってなんだ?」の紹介

みなさんは、「外来種」ってなんだかわかりますか?
なんだか、国際的でカッコいい感じがしますが、実は環境問題にまつわる言葉なんです。

【外来種】
他地域から持ち込まれた生きもののこと。
日本の生きものでも、伊豆諸島に持ち込まれ本土の生きものは、外来種と呼ばれる。



(反対に、元々その地域にいるものは「在来種」という。)

今、この外来種が日本の至るところで見られ、在来種の生息場所や命を奪っています。
「外来種問題」は、大きな環境問題の1つと言えます。


山のふるさと村は自然の豊かなところです。貴重な生きものも生息しています。
しかし、そんな山のふるさと村にも、実は外来種は存在しているのです。
在来種を守っていくためには、まず、その事実を知り、1人でも多くの人に知ってもらうこと。


知ることは、それだけで、しぜんと守ることにつながります。



このような環境問題を来園者に知ってもらうために、
私たちは「自然体験プログラム」を行っています。

今回は、先日行った外来種をテーマにしたプログラムを簡単にご紹介します。

『外来植物ハンターになろう!』

実施時期:11月下旬
対象:親子

【活動のねらい】

自然公園の中にも外来植物が移入していることを知る。

【参加者のみなさんに身につけて欲しいこと】
 ・「外来種問題」とは何か説明できるようになる。        

 ・山ふるにある外来植物を2種以上覚え、見つけられるようになる。
 ・外来植物を見つけた後の対処法を実践できるようになる。

【内容】
①「外来種・在来種を知ろう!」
  言葉の意味や、日本の事情をスライドを観ながら学ぶ。




②「タネを集めよう!」
  今の植物は何があるだろう?という確かめと、次の活動の伏線の両方の意味として
  近場から、種と思うものを集めてくる。





「これも種かなぁ・・・?」



「わぁ、ちっちゃい種だなぁ!」

















見つけた種は、黒い布(見やすい)に並べ、
みんなで見合いっこ。


「えっ!?こんなのどこで見つけたの!」

「この種おいしそ~」

色々な種類の種が見つかりました。


④「種の仲間分け」
 風にのって飛ぶ型、重力落下型、動物の毛にくっつく型、鳥に食べられて糞になって落ちる型
などの散布型によって種を分けます。




虫眼鏡で観察してみると、くっつく型の種の仕組みがいまいちわかりません・・・
くっつく型には、センダングサという植物がありました。





























   コセンダングサ       アメリカセンダングサ


でも大丈夫!そんな時のために、顕微鏡を用意しています。
顕微鏡で覗いた参加者からは
「わぁ!こんな風になっていたんだぁ
「これはくっつく訳だ!」などの驚きの声が続々。




「ねっ!くっつく力すごいでしょ。みんなの体でも証明されているよ♪」

そうなんです
種さがしをしている時に、参加者の体にはいたるところにセンダングサの種が
くっついていたのです。





















で、ココからが重要です。
このくっついた種「センダングサ」と「コセンダングサ」は外来植物なんです。
なので、このまま種をつけて遠くまで移動してしまうと、種を撒き散らすことを
お手伝いしていることと同じになってしまいます。





そうならないように・・・
⑤くっついた外来植物の種を全てとって袋に捨てる。
を行います。
種を取るのは苦労する作業ですが、参加者は、その分、
外来種問題についてその深刻さを理解できたようです。
楽しく学べて、しっかり学べるプログラムのご紹介でした。


あっ!そうそう、最後に欠かせないコメントがありました!
『外来植物だって一生懸命生きている植物!毒のある悪者ではないんですよ。
誰が悪くてこのような問題が起こっているか、よ~く考えてくださいね。」




 (ゆうき)