2007年10月3日水曜日

山ふるで目立つ秋の植物



奥多摩湖いこいの路が開通し、平日もウォーキングやハイキングに訪れるたくさんの方がいらっしゃいます。

ビジターセンターでもたくさんの質問をいただきますが、その中でも多いのが今目立つ植物の名前です。
では、本日は第3位までご紹介します。

第1位は「ゴンズイ」 Euscaphis japonica
 本州では関東地方以西、四国、九州など比較的暖かな地方に
 自生する雑木林の植物。
 園内ではビジターセンター前に1本植えられていて、
 赤い果実(じつは黒い果実をつつんだ袋状になった果皮(かひ))
 が目立つため、名前が気になるようです。<写真>
 熟すと赤い果皮が割れて黒い果実とのコントラストになり、
 より目立つようになります。

第2位は「カンボク」 Viburnum opulus var. calvescens
 現在は、クラフトセンターからキャンプ場に上がる尾花坂横
 の植栽に実る赤い果実が目立ちます。
 赤い果実は鳥たちにとってもまずいらしく、冬でも残っています。
 花はアジサイのような形をした白い花が咲き、5月の終わりから
 7月くらいまで咲きます。
 本州では、関東地方以西の内陸部や日本海側の湿潤なところに
 多くありますが、園内のものは植栽です。 

第3位は「アレチウリ」 Sicyos angulatus
 北アメリカ原産のつる性植物。
 園内では、湖畔広場と川原の境に繁茂しています。
 現在は白い軟毛と刺に覆われた1cmほどの果実が目立ちます。
 金平糖のような形をした果実の皮をむくと、少し臭く・・
 味もいまいちです。
 広げた手のひらの倍ほどの大きさの葉っぱをもち、奥多摩でも
 水際で広い面積を覆うように生えている姿が最近目に付くように
 なってきています。
 また、環境省が定める特定外来生物種に指定されるなど、
 川原を中心として広がり日本中で問題となっています。

と、いうことで、3種類とも元々は奥多摩にはなかった植物でした。
誰かが植えたり、誰かが持ち込んだり、いつのまに流れ着いたりする
もともとは奥多摩にはなかった植物は、遊歩道でも道路沿いでも増えています。
「関東らしくない花や実」をデジカメで撮影したら、ビジターセンターに
ぜひお立ち寄りください。(あきもと)

参考資料:山渓ハンディ図鑑1「野に咲く花」
     山渓ハンディ図鑑4「樹に咲く花 離弁花2」
     山渓ハンディ図鑑5「樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」