2020年4月23日木曜日

春の花保護の取り組みのはなし



群生している青い花が鮮やかなフデリンドウ。一株は小さいので、盗掘されやすい花の一つです…。

自然公園であり、国立公園の特別地域でもある山のふるさと村。
動植物の採取が禁止されている園内には、様々な生きものが暮らしています。

早春に花を咲かせる「スプリング・エフェメラル ”春のはかない命”」と呼ばれる植物も
山のふるさと村の大事な一員です。
しかし、その可憐な見た目と希少価値ゆえに、株ごと持って行ってしまう「盗掘」の被害にあいやすい種類でもあります。

こうした植物が盗掘あるいは誤って草刈りなどされないよう、
山のふるさと村ビジターセンターの大事な仕事の一つ「園内調査」で得られた情報を元に、
昨年から野外看板と柵を設置しています。


看板のふきだしの台詞は出来るだけキャッチーにして、目にとまりやすくなるよう心がけています。

去年はジュニアレンジャー・ちびっこレンジャーの皆さんと一緒に、
毎日ちゃんと咲いているか、確認調査を実施しました。
皆さん、ご協力ありがとうございました!
(花を見ている人がいるだけで、盗掘の可能性はぐーんと減るのです)

休園中の今年は、インタープリターだけで
開花・生息調査と看板設置を行なっています。
そんな中で出会った今年の春の花たちの姿を、遅ればせながらお届けします!

 
船の錨(いかり)に似てるから「イカリソウ」 白と赤のコントラストが可愛い「ハナネコノメ」

 
花の大きさ、なんと5ミリ!「ヒメニラ」 去年はシカに花が食べられたけど、ちゃんと咲いた「カタクリ」

今年は、昨年はなかった場所にカタクリの葉が出始めたり、
イカリソウの花の株が増えていたりと、嬉しい発見が多い年でした。
来年はどんな出会いがあるかと、今からワクワクしています。

鬼に笑われてしまう話ではありますが、
来年の調査は、ご来園した皆さんとご一緒できたらいいなぁと思いながら、
今はテレワークに励むのでした。

(原島 香/かおりぃ)