2020年4月30日木曜日

枝先で開く葉っぱのかたち

♪夏も近づく八十八夜〜 という茶摘(ちゃつみ)の歌を聞いたことがありますか?
私が静岡の出身だからなのか、知らないうちに耳になじんでいた歌です。
この八十八夜というのは、立春(2020年は2月4日)から数えて88日目という意味。
春に芽吹いたやわらかい茶葉を摘む、そんな新茶の季節がそろそろ始まります。
外出自粛のこんな状況だからこそ、新茶の瑞々しい香りでほっとひと息つきたいですね。

さて、そんな季節、芽吹いたばかりのやわらかな葉は、お茶だけではありません。
 野山でも、公園や庭先でも、木々は瑞々しい若葉を広げて光を浴びています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
そんな木々の、枝先から次々と開いていく葉を見ていると、気づくことがあります。
葉っぱの形や開き方は木によっても違うんですが、
中には、まるで折りたたまれた紙を開くように広がっていく葉っぱがあるんです。

 たとえば、公園や庭先にもよく植えられているカエデ。(もちろん山のふるさと村でもたくさん生育していますよ。)
手のひらのように開く前は、おりたたまれて重なっているのがわかります。
それから、先日山のふるさと村の杣の小道を巡視した時に見たイヌブナの葉も、きれいに折りたたまれていました。

開く前後でくらべてみるとわかりやすいですね。

「そう言われれば、この時期そういう葉を見るな」と思った方も多いのではないでしょうか。
今回は、おまけとして、そんな葉の開き方を体験できるペーパークラフトを作ってみました。

時間がある方は是非プリントして試してみてください。

 (普通の紙で大丈夫。折る前にボールペンで丁寧に折り線をなぞって折りやすくするのがコツですよ。)
















ちなみに、この葉っぱの折りたたみ構造についての研究もあります。
今回、参考にしたのはこちら↓の資料です

小林秀敏(2008)「植物の葉や花に見られる展開構造」『生産と技術』第60巻 第1号:91-94
H. Kobayashi, et al.(1998) : "The geometry of unfolding tree leaves", Proc. Roy. Soc. Lond. B, 265,147-154 .


(インタープリター/よってぃ)